『ダーウィンフィンチ』(デイヴィッド・ラック著)

D.ラックがガラパゴス諸島にやってきたのは1938年。今世紀でも1、2を争うほどの雨の多い雨期だったそうだ。彼はこの夢の島に4ヶ月間滞在し、精力的にフィンチ類の野外観察を行った。さまざまな形状のくちばしをしたフィンチ類がどの島に住んでいるかを示す分布図を作り、その結果、形状が近い物どうしは同じ場所にいないこと、すなわち自然選択の力が働いていることに気づいた。その顛末を一般の読者にも分かりやすく著したのが本書だ。1947年に出版された。

ダーウィンフィンチ_20180214

写真右は浦本・樋口による翻訳書。左は1983年に出版された原書の改訂版。本書にまつわる歴史的な背景がイントロとして提示され、ついで各章毎の要点と最新の研究成果からのコメントがノートとして整理されている。図(一部カラー)と写真も取り込みなおされてシャープさが増している。

【蛇足】 ただし読みやすい本ではない。特にフィンチ類と島々の名称に慣れるまでしばらく時間が掛かった。その山を越えられないと途中でギブアップするかも。

『進化 ガンカモ類の多様な世界』(D・ラック著)

この本を読むのは少なくとも二度目。読書には興味の熟成が必要だと思う。以前にも増して、内容が身に染みてきた。ラックの進化

この後、ダーウィンフィンチに関する本を3冊、続けて読む予定。

① 『ダーウィンフィンチ』(D・ラック著)
② 『フィンチの嘴』(ジョナサン・ワイナー著)
③ 『なぜ・どうして種の数は増えるのか』(ピーター&ローズマリー・グラント著)

【追記】
D・ラックの著書に『天上の鳥 アマツバメ』がある。元本は"Swifts in a Tower "であるが、この本、古書でも高額で入手が困難であったが、どうやらRSPB(英国王立鳥類保護協会)から新しい版が出版されるようだ。3月1日発行予定。Amazonで予約可能。

『メンデル 遺伝の秘密を探して』(エドワード・イーデルソン著)

ここ何年か、生物の分布を主な関心事として生活しているが、いつも、生物そのものについても、もっとよく知りたいと考えている。高校~大学では主に数学や物理を勉強してきたため、生物の基礎ができていない。特に遺伝・染色体・DNA等について、よく理解していない。

例えば有名なメンデル。メンデルは一体、何をしたのか?それについて、この本は初心者にも分かりやすく答えてくれている。はじめの一歩。

メンデル 遺伝の秘密を探して

メンデルは遺伝学の基礎を築いた、という途方もない業績だけでなく(生前はほとんど無視された)、気象学(毎日の風向風速や気温、オゾン量を定期的に観測し、平年値を算出して比較する、という統計学的手法を導入)、養蜂(品種の改良とその手法の開発)、園芸(新しい品種の改良)、天文学(黒点を11ヶ月間観測)など多くの分野において功績を残している。

メンデルは、教職→修道院院長として重い責務を果たしながら、広範囲な自然科学への興味を持続させた。公正な人柄で一般人からの信頼も集めていた、という。恐るべき人物だ。

覚え書き 新聞書評から

新聞の日曜版は各紙書評が載っているから楽しみにしている。

ずっと昔、書評を読むために新聞各紙の日曜版を購入しに、当時の最寄りのJR駅売店まで買いに行ったものだ。…と思い返すと、近所にコンビニがなかったのね。よちよち歩きの長女を伴って散歩がてら新聞を買いに行くのは、ちょっとした楽しみだった。娘が歩き通したご褒美として、売店でチロルチョコレートを買ったっけ。

チロルチョコ

さて、今日の毎日新聞の書評で気になった本は以下。

・『絶滅の人類史』(更科功著) 池澤夏樹評
・『俳人風狂列伝』(石川桂郎著)
・『千年の田んぼ』(石井里津子著(田んぼジャーナリストっつう職業があるだね))

ほか、大好きなポール・オースターを作家の吉本ばななが訪ねてインタビューしたことがある、との記事も気になったが(地震学者尾池和夫氏)、吉本ばなながさほど好きな作家でないため、今のところペンディング。

『昆虫の描き方 自然観察の技法Ⅱ』(盛口満著)

引き続きゲッチョ先生の本。

この本の内容は、描き方に止まらず、むしろ昆虫観察、あるいは自然観察の優れた入門書になっている、と思う。

これまでのゲッチョ本と同じく、著者自身の経験に即して語られていて、とても具体性に富んだ内容となっている。しかし、だからといって、内容が主観的かというとそれは真逆で、とても普遍的で深く、考えさせられることが多い。そこがゲッチョ本の魅力だ。

生き物は皆、「れきし」を背負っている一方で、「くらし」を背負っている。だから「いろいろ」な「かたち」があって面白い。その生物の多様性を楽しむ方法として、スケッチを薦める。このことが本書に流れる一貫したテーマとなっている。

また著者は、理科教員として、いかにして学生の興味を引き出すかに苦心されてきたようで、そのノウハウを伝授してくれている。「虫がきらい!」は裏を返すと「とても興味はある」と受け止めることもできる。無関心よりずっといい。とても参考になる。

昆虫の描き方表紙
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桃姫の飼い主

Author:桃姫の飼い主
南極大陸を横断したグリーンランドハスキー犬『キンタ』を曾祖父に持つ由緒正しい駄犬『桃姫』とその飼い主が綴る、北の空の観天”呑気”

なお、ブログ中の拙い写真・絵画イラスト・文章等の著作権は放棄しておりませんのでご留意ください。

宣言:「私は原子力を利用しない世界を求めます」

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