『となりの地衣類』(盛口満著)

青森の友人に薦められて読んだ。ご存じゲッチョ先生の本。

ゲッチョ先生は地衣類の初心者。観察会などを通じて、秋田県立大学名誉教授の山本好和先生に地衣類の見方を教わってきた。その過程も描かれていて楽しい。

地衣類が藻類と菌類の共生関係で成り立っている生物、ということは知っていたが、それよりも菌類である、と考えた方がよいことを初めて教わった。また、藻類を取り込んで地衣類という形態になることを「地衣化」と呼ぶことも初めて知った。以上のことで世界の見え方がかなり変わった。

菌類の2大グループに子嚢菌類と担子菌類があるが、地衣類は圧倒的に子嚢菌類が多いとのこと。子嚢菌類の仲間には冬虫夏草が含まれており、担子菌類の仲間には子実体が立派なキノコ形をしたシイタケ(腐朽菌類)やマツタケ(菌根菌類)が含まれている。

地衣類の成り立ちだけではなく、あるいはそれ以上にショッキングだったのは、地衣類が放射性物質を取り込みやすい性質を有していることと、それを食する生物(トナカイを含む)に放射性物質が蓄積されていること。

福島の事故と生物との関係を考える。そのことが、ゲッチョ先生が地衣類に興味を持ち始めたきっかけであったようだ。大気中での原爆実験、チェリノブイリ~福島の事故がもたらす生物への影響は、雨が降ったら消え去る、というような単純なものではない。

トドマツ_地衣類_20120229
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Author:桃姫の飼い主
南極大陸を横断したグリーンランドハスキー犬『キンタ』を曾祖父に持つ由緒正しい駄犬『桃姫』とその飼い主が綴る、北の空の観天”呑気”

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