『陸の果て 自己への配慮』(遠藤水城著)

著者は若手のキュレーター。

震災の年明けの冬(1月〜2月)に、青森の竜飛岬から太平洋岸を、海を左手に見ながら、
テントを担いで、徒歩で歩けるところまで歩いた記録。

資金は限られており、装備は真冬に徒歩旅行するには貧弱に思われた。
それらは、私にも馴染みの店=秀岳荘白石店で購入されたようで、その辺りから感情移入できた。

通過した集落の記述があり、それを地図上に印を付けながら読み進める。著者は、
餓えと寒さと寂しさに打ちのめされながら、延々と同じ風景が続く海岸線を、ひたすらに歩く。

心身ともに消耗した末に、福島県南相馬町にさしかかる。通行止めのゲートが現れるが、
それは誰かが人為的に決めた終点であって、彼には終点に思えなかった

竜飛岬から延々と、彼の左手には変わらぬ景色が続いてきた。
それは急に現れたわけではなく、ずーっと見えていて、今も変わらず見えている。
だから著者には、「そこで終わり」と言われても、納得するわけにはいかなかった。

それ以上は進めない、と彼が納得できる、本当の終点があるのだろうか?

【追記】
前述の志賀さんの螺旋海岸notebookにも遠藤氏の寄稿が掲載されている。
逆に本書にも、仙台の写真家Sさんとして志賀さんが登場する。
そもそも、著者の旅の出発点は、志賀さんが読んでいた本=『氷上旅日記』とのこと。
螺旋海岸の舞台=北釜地区は仙台空港の海側で津波の被災地であるが、原発からも遠くない。
プロフィール

桃姫の飼い主

Author:桃姫の飼い主
南極大陸を横断したグリーンランドハスキー犬『キンタ』を曾祖父に持つ由緒正しい駄犬『桃姫』とその飼い主が綴る、北の空の観天”呑気”

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宣言:「私は原子力を利用しない世界を求めます」

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