"Giorgio Morandi" (岡田温司監修、FOIL)

Giorgio Morandi(1890-1964)はイタリアの画家。

震災前に日本で展覧会が企画されていたのだが、幻の展覧会になってしまった。本書は当初、
目録として編纂されていたらしい。その後日本初の画集として出版された。

何の変哲もない壺がいくつか並べられているだけ。そんな絵が延々と続く。それと少しの花、しかも
数本の造花と、アトリエの窓からみえるありふれた風景。モチーフはそんな程度に限られている。

彼が生きた時代は絵画の世界が大きく変化していった時代だ。カンディンスキー、モンドリア
ンらの抽象画、ピカソ、ブラックらのキュビズム、マグリッド、エルンストらのシュールレアリズ
ム。古いものを打ち破るのだ!そんな気配が濃厚だった。

若い頃、彼はパリに出たかったらしい。セザンヌがお気に入りだった。しかし父親が急死、母親
と妹たち家族を養うという重責が彼の肩にかかり、断念する。その後は生まれ故郷のボローニャ
をほとんど出ることなく、絵の教師をしながら、ひたすらに壺達をみつめて絵を描いてきたという。

しかし彼は絵画世界の変革に背を向けてきた生きてきたわけではない。それらをよく理解した上で、
その上で静物を描き続けてきた、という。

 ・どこか遠くに行かないとは冒険ができないわけではない。
 ・多くの情報に惑わされることなく、自らの意識や疑問に真摯に向き合うこと。

解説を読んでそんなことを考えさせられる一方で、それとは関係なく、彼の絵に惹きつけられる。
「眼の楽しみ」を満たしてくれる。次女も気に入ったようで、画集を飽かずに眺めている。


ジョルジョ・モランディジョルジョ・モランディ
(2011/11/22)
ジョルジョ・モランディ

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【追記】
この画集には、戦後イタリアを代表する写真家・ルイジ・ギッリによって撮影された、
モランディのアトリエの写真が17点掲載されている。

ギッリは、モランディと同様に「光に対して鋭敏な感性をもっていた」写真家と紹介されている。
モチーフとされた壺や花瓶、質素な室内が、「透明感のある明るい光のもとに」表現されている。
これらの写真をみるだけでも、この画集は価値があると思う。
プロフィール

桃姫の飼い主

Author:桃姫の飼い主
南極大陸を横断したグリーンランドハスキー犬『キンタ』を曾祖父に持つ由緒正しい駄犬『桃姫』とその飼い主が綴る、北の空の観天”呑気”

なお、ブログ中の拙い写真・絵画イラスト・文章等の著作権は放棄しておりませんのでご留意ください。

宣言:「私は原子力を利用しない世界を求めます」

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